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日本の人魚伝説を一挙紹介!聖徳太子が遭った人魚に不老不死の八百比丘尼他

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※注意:この記事にはミイラの写真が掲載されています。苦手な方はブラウザバックされることを推奨します。

 以前こちらの記事で、日本の人魚が実は西洋の物に比べ、めちゃめちゃグロテスクだったことを紹介しました。更に、日本の人魚伝説は西洋とは大分違うという点にも軽く触れたと思います。今回は、そんな日本独自の一風変わった人魚伝説をいくつか紹介していきます!

「歩く厄災」火炎放射を吐きまくる人魚

(出典:「月灯りの舞『日本幻獣図説』」)

 「姫国山海録」という文献によると、江戸時代末期のその昔、当時の石川県の海岸に、女性の顔をした、4.5mもの長さがある2本の角を生やし、背中は緑色のウロコ、腹は火のような色、11.5mもある尾を持った人魚(上画像)が出現したそうです。
 しかもこやつには羽も生えていて、口から吐く火炎で家を千軒も焼き、その鳴動は隣の国まで響き渡ったのだとか。最後は銃で撃ち殺し退治されました。


 羽があって、火も吐く時点で私たちの良く知ってる人魚とはかけ離れていますよね。これは日本の人魚伝説でもかなりレアケースの描写なのではないでしょうか。
 MORUは最初あの説明書きを読んで、ホラーゲーム「SIREN」のラスボス「堕辰子(だつづし)」のようなビジュアルを想像してしまいました。

▲堕辰子

沖縄の人魚伝説

 実は沖縄にも人魚伝説があるんです。それは次の通りです。

 ある時男が海で漁をしていると、偶然網に人魚がかかってしまいます。人魚は助かりたい一心でこう言いました。

 「どうか私を逃してください。その代わりに人魚の秘密を教えます。」

 男はかわいそうに思い、人魚を網から出してやると、人魚は続けてこう言うのです。

 「まもなく大津波がやって来ます。今直ぐに逃げてください。」

 男はこれは大変だと思い、同じ島にいる村人たちに知らせました。しかし中には、男の言葉を信じない者もいます。やがて島に津波がやって来て、男の言葉を信じ高台に逃げた者達だけは助かり、それ以外の者は死んでしまいました。

「聖徳太子と人魚」

 上の写真は、こちらの記事でも紹介した、「天照教(てんしょうきょう)」と言う宗教団体が保管している人魚のミイラです。以前の記事では軽くしか説明していませんでしたが、今回はこのミイラにどのような逸話があるのかをより具体的に解説します!

 今から1,300年前の西暦600年頃の飛鳥時代。推古天皇の皇太子「聖徳太子」が、あの有名な「十七ヵ条の憲法」の草案を考えるため、琵琶湖のほとりにある石山寺に滞在していた頃のある日、急に湖から人魚が飛び出てきました。

 そしてその人魚は、大声で次のように語りだします。

 「私は幾年となくこの辺りで漁を生業としてきましたが、ここは殺生禁断の聖池であったので、天罰を受けてこのような醜い姿になってしまいました。今、太子の説法を聞いて殺生の恐ろしさをしみじみ知りました。末世まで私のこの醜い姿を残し、殺生戒という仏戒を伝えるため末永くこの出来事を語り、後世に役立てて頂きたい。」

 こう言い終えると、この人魚は直ちに息を引き取りました。しかしその後、この寺では怪異が起こるようになります。住職達は「人魚の祟りではないか」と恐れ、この人魚のミイラを他の寺に譲ることにしました。しかし移転先の別の寺でも同じようにおかしな現象が相次いだので、また別の寺へと移され、各地を転々とします。最終的に天照教の開祖に引き取られ、ようやく鎮まることができたと言われています。

人魚の肉を食べて800歳まで生きた!?「八百比丘尼(やおびくに)」の伝説

 続いては、人魚を食べてしまった人のお話です。

 ある海沿いの里に、どこからか漁師らしき男たちがやってきて住み着いていました。ある時彼らが里の者たちを家に招待し、もてなしをします。里の人間の者がふと台所を覗いてみると、なんと、今まさに人の頭のついた得体のしれない魚を調理しようとしているではありませんか。
 これを知った里の人々は気味が悪くなり、口裏を合わせて皆帰ってしまいました。そこに同席していたある男も、出された料理を食べず、言い訳をしてその肉を手土産として持って帰ることにしたのです。

 しかし、男が持って帰って来た人魚の肉を家に置きっぱなしにしておくと、何も事情を知らない妻がそれを食べてしまいました。数日後、夫がそれに気付き、びっくりして、その時のことを妻に尋ねたところ、妻はこう言いうのです。

「それはまるで甘露のように甘く、食べ終わる頃には体の全身がとろけ、まるで夢のようで死んでしまいそうでした。時間が経ってから我に返ったところ、疲れが取れ、目は遠くまで見えるほど良くなり、耳は小さな音まで聞き取れ、精神は澄み渡るようになりました。」 確かにそう言われると、男は、なんだか妻の顔にはツヤが加わり、若々しくなったような気がしたのです。

 それからというもの彼女は不老長寿となり、親族も知り合いも皆死に、夫と何度も死に別れることを繰り返しました。その内生きることが大変辛くなり、彼女は出家を決意するのです。
 比丘尼(「びくに」と読む。尼さんのこと)となった彼女は全国をめぐり、各地に木を植えるなどをします。そして最終的に若狭(現在の北陸地方)にたどり着き、福井県小浜市の空印寺で入定(永遠の瞑想に入ること。もしくは即身仏になること。)しました。この時の年齢は800歳であったため、彼女は「八百比丘尼(やおびくに)」と呼ばれるようになったのです。

 実はこの八百比丘尼の伝説、日本の人魚伝説の中では非常にメジャーで、全国各地で語り継がれているそうです。また、このお話には多々バリエーションがあり、人魚の肉を食べてしまったのは妻ではなく娘で、後に八百比丘尼となるのもこの娘であるとする伝承もあります。

▲空印寺にある、八百比丘尼像と彼女が入定した時の洞窟。(出典:「美味求眞」)

 また、島根県隠岐諸島にある玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)の境内には、八百比丘尼が植えたとされる杉の木が存在しています。

▲(出典:「しまね観光ナビ 島根県観光写真ギャラリー」)

 伝承によれば、八百比丘尼がこの神社を参拝しに来た時、自分の形見として杉を植え、「800年経ったらまたここに来よう」と言い残し立ち去ったそうです。そのためこの杉は「八百杉(やおすぎ)」というのだとか。かっこいいですね。MORUも一度で良いからそんなセリフを言ってみたいです。

あとがき

 いかがでしたでしょうか。日本の人魚伝説には深くてありがたいお話もあれば、ゲーム「ゴットイーター」なんかに出てきてたら間違いなく討伐対象になっていそうな、危険な暴れ者の人魚も存在します。
 日本の人魚伝説では、大抵人魚が現れるとロクなことになりません。ここで紹介した話以外にも、人魚を殺して海に捨てたらその土地が天変地異に見舞われたという伝説もあるそうです。
 皆さんは、もし海辺で人魚を見付けてしまったらどうしますか・・・? MORUは食べます。







  • 筆者紹介

MORU

日々皆様に面白いネタを紹介するため奮闘中。脳みそはいつもコーヒー漬けです。NO LIFE NO COFFEE

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