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オーギュスト・ロダン作「考える人」って、何を考えている人か知ってる?

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 こんばんは。MORU(@MORUNUMA)です!
 今回はちょこっと豆知識の紹介です。皆さんは、オーギュスト・ロダンの「考える人」って知ってますか?

 知らないと答えた人も、上の写真を見れば誰もが「あ~これか~!」となるはずです。
 しかしこの彫刻の人物、こんなに物思いにふけって一体何を考えているのでしょう。皆さんは分かりますか?
 知らない人はちょっと考えてみてください。

 

 

 

 

 

地獄に落ちた人たちを眺め考えている

 正解は上の見出しの通りです。「考える像」と同じポーズをした人が、彫刻の上の方にいるのが分かりますか?
 実はこの「考える人」、元はオーギュスト・ロダンの別の作品「地獄の門」(上写真)のパーツの一部に過ぎないんです。

▲全体像はこんな感じ

 なんだか門の扉に色んな物がうねっていて、とても気味が悪いですね。実はこれ、みんな地獄に落ちた人々です。
 地獄がどんな様子になっているのか見てみたいと思いませんか?
 それではMORUと一緒に、地獄のツアーにでかけましょう。ちゃんと戻ってこれるかはわかりませんけどね。

ロダンが考えた地獄の様子

 まずは扉の上部にある「考える人」から。この人物の裏ではたくさんの人がひしめき合っていて、今にも地獄に落とされそうになっています。
 右端の方ではエジプトのファラオのような人もいますね。そして彼には死霊がまとわりついています。

 この人たちは罪人なのでしょうか。だとしたらこの考えている人は?彼もこれから地獄に落とされる人なのでしょうか。それとも安全地帯から眺めるただの傍観者のなのでしょうか。う~む。謎です。


 

 考える人の左下の方にいた人物です。「いやだ・・・!落ちたくない!助けてくれぇ!」と言ってそうです。


 

 この人は扉のふちで粘っています。まだ諦めていないようです。


 

 うわっ!おじさんが沈みかかってる!とても苦しそうです...。おそらく一度沈んだらもう戻れないのでしょう。


 

 女「きゃ~沈みたくない!」男「こっちだ!つかまれ!」


 

 男「ああ~!こんなところ嫌だ~!!」女「ちょっと!私を置いてかないで!」


 

 あ~あ~ もう何が何だか。


 

 悪魔も地獄に落とされています...


 

 おや?羽の生えた天使のようなものまで。彼は堕天使でしょうか。


 

 カップルでしょうか。地獄に落とされたお互いの境遇を嘆いているのでしょう。メシウm...いや、なんでもないです。

世界に複数ある地獄の門

 そもそも「地獄の門」は、ロダンがダンテの叙事詩「神曲」から着想を得てつくったものです。そこでは門についてこう書いてあります。

我を過ぐれば憂ひの都あり、
我を過ぐれば永遠の苦患あり、
我を過ぐれば滅亡の民あり
義は尊きわが造り主を動かし、
聖なる威力、比類なき智慧、
第一の愛、我を造れり。
永遠の物のほか物として我より先に造られしはなし。
しかしてわれ永遠に立つ。
汝等ここに入るもの一切の望みを棄てよ。
(ダンテ「神曲」地獄篇第3歌)

 なんでも、この詩の前半にある、「我を...」から始まる3行は、その後に続く下の3行と対応しているそうです。後者の3行「義は...」から始まる言葉は、キリスト教における神(父)とイエス(子)と聖霊(天使)の三位一体を表しており、この門が神によって創造されたものであることを象徴しているのだそうです。

 この彫刻、全世界に7つあり、なんとその内の2つが日本にあります。1つは上野公園の国立西洋美術館。もう1つは静岡県立美術館です。もし近くに立ち寄ったら見てみるのもいいかもしれませんね!

▲上野・国立西洋美術館の「地獄の門」

 上の写真を見ていただけると分かるのですが、実はロダンの作品「地獄の門」は、門単体では完成しないんです。
 上野にある門のように、その両サイドにも別の像が置かれています。これも含めて「地獄の門」なのですが、この作品は未完です。
 これに加えさらに色んな彫刻が追加される予定だったのでしょう。

 上の画像は、門の両脇にいる人間の1つです。このようにロダンが造った彫刻は、各パーツだけを独立させても評価が高く、それだけで1つの作品として展示されることが多いです。

 この男性は聖書に出てくる最初の人間アダムで、その反対側にいるのは女性のイヴです。
 ロダンは、人類の中で最初に罪を犯し、原罪の根源をつくった2人こそが、門の入り口に立つに相応しいと考えたようです。

 このアダム像は、ロダンが1875年にイタリアへ旅行した時に見たミケランジェロの作品に感銘を受け、彼の芸術を理解するためにつくったのですが、あまりにもオリジナルを模倣し過ぎていると考えたロダンは、自分でこの像をぶっ壊したそうです。芸術家の考えることってぶっ飛んでる!

「絶対勝つぞー!」「おー!」

 上の画像は、門の最上部にある3人の男性です。通常「3つの影」と呼ばれています。こちらもやはり独立した作品として評価されているんですね。
 そしてこの像の男性は、先に説明したアダム像がモデルです。よく見るとこの像、アダム像の姿勢を少し前かがみにしただけなんです。

 この3人が何を意味しているのか、MORUには分かりません。しいて言うならダンテの詩にある「三位一体」を表しているのでしょうか...?父と子と聖霊が力を合わせると、その真下にズドーンと地獄の門が現れたという構図でしょうか...。

ちなみに...

 ところで皆さん、この「地獄の門」、どこかで見たことありませんか?

▲劇場版鋼の錬金術師「シャンバラを征く者」より

 そうです!鋼の錬金術師第1期に出てきたあの「真理の門」のデザインは、この「地獄の門」がモチーフなんです!
 ・・・って、今の世代の人にはわかんないか・・・。
 (※原作及びアニメ第2期のモチーフは、カバラ神秘学の「生命の樹」なのでまた別です。)


 あと、世界のどこかには白い地獄の門もあります!

 地獄が真っ白だと天国みたい・・・マシュマロホイップ地獄でしょうか。


 

 黒い普通の地獄の門も、ライトアップされるとこんなに幻想的になります。


 世界には「考える牛」もいますよ。牛だって色々考えちゃうぞ!モ~

▲スペイン・バルセロナの考える牛

▲ブラジル・サンパウロの考える牛

 ちなみにこれら牛の像は、現地人には見向きもされていないそう。残念。

まとめ

 いかがでしたか。人によっては「考える人」の正体が意外だったと感じられる方もいれば、「そんなの知ってた」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 しかしいざこの「地獄の門」という巨大なオブジェを目の当たりにしてみると、実は大変奇妙な構図をしており、細部まで見るとその解釈に苦労してしまいます。

 今回は「地獄ツアー」という感じで、MORUなりに地獄で苦しんでいる人達のアテレコをしてみました。
 もちろん作品の解釈は人それぞれですが、こうすることにより、とっつきにくい印象を与える芸術世界への見方を変え、興味を持つ足掛かりになれたら幸いです。

 このロダンの「地獄の門」が、過去にアニメのモチーフにもなっていたように、芸術って、美術館の枠を飛び越えて、結構私たちにとって身近な物なんですよ。







  • 筆者紹介

MORU

日々皆様に面白いネタを紹介するため奮闘中。脳みそはいつもコーヒー漬けです。NO LIFE NO COFFEE

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